ハーモニーという言葉

 この言葉はなじみがあるようでいていざ正面から向かいあってみるととりつく島がない。抽象的ともいえる言葉の一つかも知れません。誤解を避けるために、ここでは『ハーモニー』という言葉を以下のように定義しながら使っています。

 一つには音の重なりの調和を表す言葉です。闇雲に音が出ていさえすればよい、というのではなく、それぞれの音が響き合っている状態を指す。音楽上では『高さを異にする二個以上の音が同時に響く場合に合成される音をいう』とありますが、凡そこれが最も狭い意味での定義です。

 音以外にも「調和」という言葉から連想する「もの」または「存在」のハーモニーというものがあります。自然との調和、自然との融合、自然とのハーモニーなどのような言い方をしますが、これは自然の音や風景などと違和感なく溶け合っている状態を指している時に使います。そのものと一体となっているともいえるでしょう。

 また、「調和」ということばから「過不足なく」ということも言えます。多くもなく少なくもなく、丁度良く、ということです。

 これらから、ハーモニーとは自然の理に反することなく、収まるべきところに収まる、ということを表していることばであるといえるでしょう。また、その状態を指しているとも言えます。

このサイトではこのような意味合いでハーモニーという言葉を使います。

 ハーモニーの影響するところは多岐にわたっています。普通、人は『そのこと』の説明でも受けない限り気づくこともなく、通り過ぎていってしまうことでしょう。ハーモニー(調和・バランス)について深く探求すればするほど、この世界はハーモニーによって存在しているのではないかとさえ思えるのです。このことはとりもなおさず、ハーモニーの本質を知ることはこの世の成り立ちについて理解することにもなりはしないか、と思うのです。

 とは言っても、論証のないところに情緒的に心を任せることもできません。それぞれの事象を確かにその通りだと実証されるようにしていきたいと思います。一つ一つには時間がかかるでしょうが、このサイトにいらした方々、どうぞその論証にお付き合い下さい。